人生振り返り:幼稚園時代
3年間を通して親同士の会話で
「Oくんって自分の世界持ってるよねー、Oくんワールドがあるよねー」
とよく言われていたことを覚えている。
年少の頃は大人の顔色を毎日見て笑わせようとすることを第一に考えてた。
大人が絶対に正しいと疑わなかったし、大人が笑ってくれることでほっとしていた。
このころの私にとって大人は神だったのだと思う。
年少のはじめの頃、先生の言うことはしっかり聞いて喧嘩はしてはいけないものだと思っていた。
だから、同級生に何かされても反撃はしていなかった。
毎日喧嘩でやり返さない私をみて「やられたらやり返してもいいんだぞ」と言う大人も出てきた。
神である大人という存在にやり返す権利をもらった私は、次の日からいきなり全力でやり返した。
相当な爽快感だったのだろうか、サンドバッグを自分の部屋に用意してもらうように親に頼んだ記憶がある。
それ以降、私の部屋にはサンドバッグがあった。
毎日のようにサンドバッグを殴った。
武術を習った人は喧嘩をしてはいけないと聞いた私は、武術を習うことはなかった。
この頃、1度手術をした。内容はよくわからないが、生殖器にかかわる手術であることは間違いない。
年中になる頃から「年下とか女の子とか弱い者いじめはだめ」と言われるようになった。
同級生だけで満足できなかった私は、年上に手を出すようになった。
年上を泣かせることで得られる快感は本当にすごかった。
ただ、複数人で1人を泣かせることには相手が年上であっても一切快感を得られなかった。
自分の実績という感覚がないからだろうか。
逆に1対多で勝てたらさぞ気持ち良いだろうなと思った。
夢では毎日のように先生を含めた複数人相手に喧嘩をしていた。
習い事は、親が水泳をやらせてきた。
水泳は正直まったく楽しくなかった。
そもそも喧嘩以外に楽しいと感じているものはあったのだろうか。
思い出せない。
また、この頃からどうやら父親と母親で言ってることが違うということになんとなく気が付きはじめた。
これまで絶対的な正しさを誇ると思ってきた親という存在が、矛盾を生んでいるという事実は私に大きなショックを与えた。
これまで絶対的に信じてきた大人が絶対じゃないかもしれないと思ってしまった。
親もその様子を見て気が付いただろうか。
両親が言ってること違ってどっちを信じれば良いかわからないだろうから、全部自分で考えなさいと言われた。
幼い私にはそれはそれは大変なことだったが、これが今の私の性格に至る起点となっていると思う。
年長になったとき、もう既に全国制覇を成し遂げたかのような精神状態だった。
幼稚園の喧嘩が強いやつは軒並み倒したと思っていた。
気分は喧嘩番長以外の何物でもない。
少し調子に乗り始めた私は、大人にも反抗するようになり始めた。
幼稚園から脱走しようとしたり、先生に対して暴力をふるったり、先生のパンツを人前で脱がそうとしたりしはじめた。
この頃、2度目の手術をした。
これも1度目と同様生殖器にかかわる手術だった。これにより、左右両方の生殖器が手術された身体となった。
年長が終わるころ、新居に引っ越した。
一軒家だった。
新居のリビングには大きなテレビがあった。
ある日私は男女が裸でがんばるビデオを見た。
何らかのミスでプレイヤーに一つ入りっぱなしだった。
衝撃的だった。
意味が分からなかった。
当時から少し潔癖症気味だった私は、本当に汚いと思った。
大人に対して本気で気持ち悪いという感情を持った。
これを機に潔癖症になった。
大人は私にもう触らないでほしいとまで思った。
ただ、まだ人の二の腕に触れないと眠れなかったため、触れないという点についてはすぐにあきらめることとなった。
これを機に、より一層自分が何を信じればよいのかわからなくなった。
自分で考えろと言われても、
正直何で生きているのかもわからないし、
自分は馬鹿だと思っていたし、
より一層何をすればよいのかわからなくなった。
この頃から、親より信用できない大人のところに行きたくなくて、
幼稚園にも行きたくなかった。
筋力の問題もありさほど抵抗できなかったが、とても行きたくなかった事は覚えている。
行ってしまえば結局遊ぶだけではあったので、つらいのは登園時のみであった。
以上が私の幼稚園時代の話です。
なんで自分の世界があるよねって言われてたのか、
他の子と一緒にいたいって感覚がなかったから、一人でも遊んでられたってだけの話だろうか、
まあよくわかりません。
喧嘩に関しては、趣味というかスポーツ感覚というか、とりあえず喧嘩に勝った奴が偉いという意識がありました。
年少の頃に培った大人の顔色を伺う能力は、今も役立っています。
この能力がこの時点でそろっていなければ、私の今のキャラに至っていないかもしれません。
この頃から大人になっても使える武器を養えたことはとても良かったと感じています。